兵庫県が「起債許可団体」に。夕張市とは何が違う?

結論からいうと、兵庫県が財政破綻したわけではありません。
今回、兵庫県は借金返済の負担を示す「実質公債費比率」が19.2%となり、基準となる18%を超えたため「起債許可団体」になりました。
簡単に言えば、「借金の返済負担が重くなってきたので、これから新しく借金をするときは、国に計画を見せて許可を受けてください」という状態です。
家庭に例えるなら、住宅ローンなどの返済額が大きくなり、銀行から「これ以上ローンを増やすなら、まず返済計画を確認させてください」と言われているイメージです。
一方、かつての夕張市は全くレベルが違います。
夕張市では約353億円もの巨額の実質赤字が表面化し、自力で通常の財政運営を続けることが困難になりました。
つまり、兵庫県=「借金返済が重くなってきたので要注意」に対して、夕張市=「家計そのものを自力では立て直せなくなった」という違いです。
危険度をあえて分かりやすく一本の図にすると、
🟢 健全 → 🟡 起債許可団体【兵庫県】 → 🟠 早期健全化団体 → 🔴 財政再生団体【夕張級】
というイメージです。
実質公債費比率では、
18% → 起債に国の許可が必要
25% → 早期健全化基準
35% → 財政再生基準
となっています。
現在の兵庫県は19.2%なので、いわば「黄色信号を越えたところ」です。
ただし、この図は危険度を理解するための模式図で、厳密には「起債許可」と「早期健全化・財政再生」は別の法制度です。また、自治体の財政状態は実質公債費比率だけで決まるものでもありません。
だから、「兵庫県も夕張みたいに破綻する」と考えるのは間違いです。
しかし逆に、「18%を少し超えただけだから問題ない」というのも違います。
兵庫県自身の見通しでも実質公債費比率は今後さらに上昇する可能性が示されており、次の大きな警戒ラインである25%に近づかないよう、今の段階で財政を改善することが重要です。
現時点で、兵庫県が「起債許可団体」となったことによって、西宮市の財政や市民サービスに直接的な影響が生じているわけではありません。
今後、兵庫県が財政健全化を進める中で、どの事業を見直し、どの分野の予算を抑制していくのか。その具体的な内容は、県が編成する予算案として示され、県議会での審議・議決を経て決まっていくことになります。
その結果として、県と市が連携して行う事業や県から市への補助・負担を伴う事業などを通じて、将来的に西宮市にも影響が及ぶ可能性はあります。
つまり現在は、「兵庫県の財政悪化が直ちに西宮市の財政悪化につながる」という段階ではなく、今後の県の予算編成や事業見直しの内容を注視していく段階だと考えています。